仏師‧⽴花麟⼠さんに聞く。道具とのつながりと「⾦物鷲の⽬」
- カテゴリ: プレミアムインタビュー
みなさんこんにちは、道刃物⼯業です。
今回は、神⼾で仏像⼯房を営む仏師‧⽴花麟⼠さんのもとへお邪魔しました。

仏師・立花麟士さん
⽴花さんには、⽇頃より道刃物の道具をご使⽤いただいており、
今回は仏像制作の現場を拝⾒しながら、道具とのつながりや、
仏像を彫るうえで⼤切にされている考え⽅についてお話を伺いました。
あわせて、2022年に三⽊⾦物まつりで展⽰された
三⽊名物「⾦物鷲」の“⽬”の 制作についてもお聞きしました。
仏像制作で⼤切なのは「⾃我を出さないこと」
道刃物⼯業:仏像を制作されるうえで、特に⼤切にされていることはありますか?
⽴花さん:仏像制作は、いかに「⾃我」を出さないかが⼤切だと思っています。
仏像は、⾃分の個性を前⾯に出して作るものではなく、
受け継がれてきた形や祈りの対象としての在り⽅を⼤事にしながら、
⽊に向き合っていくものです。
荒彫りの段階に⾒る、プロの⼿捌き
この⽇、⽴花さんが⼿を⼊れられていたのは、教室⽤の仏像の荒彫り段階。
作業台の周りには、さまざまな形の彫刻⼑や⼩⼑、そして⾜元には
たくさんの⽊屑が広がっていました。


荒彫りとはいえ、刃物の⼊れ⽅には迷いがなく、⽊の流れを読みながら、
少しずつ仏像の姿を⽴ち上げていくような作業です。
⼿元の動きは静かでありながら、ひと削りごとに形が変わっていく様⼦は
まさにプロの仕事でした。

道具は、職⼈の⼿と作品をつなぐもの
道刃物⼯業:道具については、どのように考えておられますか?
⽴花さん:刃物は、⽊と⾃分の⼿をつなぐ⼤切なものです。
仏像制作では、細かな表情や⾐の流れなど、わずかな違いが
仕上がりに⼤きく影響します。
だからこそ、道具の切れ味や扱いやすさはとても重要になります。

三⽊名物「⾦物鷲」の⽬を制作
2022年、3年ぶりに復活した三⽊名物「⾦物鷲」。
その“命”とも⾔える「⽬」の制作を、⽴花さんにお願いしました。
⾦物鷲の⽬を制作される以前から、⽴花さんは独⾃に義眼について学ばれていたそうです。
その取り組みが、弊社製造担当‧⼾⽥の⽬に留まり、今回の依頼へとつながりました。
未知へのチャレンジ
道刃物⼯業:⾦物鷲の⽬の制作は、普段の仏像制作とはまた違う仕事だったと思います。
⽴花さん:そうですね。これまでの経験を活かしつつも、未知へのチャレンジでした。
仏像の⽬ともまた違い、⾦物鷲という⼤きな作品の中で、
どのように存在感を持たせるかを考えながら制作しました。
⽬は、作品の印象を⼤きく左右する部分です。
だからこそ、ただ形を作るだけではなく、そこに命が宿るような表現を意識しました。

立花さんが制作した”目”を宿した、三木名物「金物鷲」
職⼈の技術が、ものづくりを⽀える
今回、⽴花さんの制作現場を拝⾒し、改めて感じたのは、道具は単なる製品ではなく、
職⼈の⼿の中で初めて本当の⼒を発揮するものだということです。
仏像制作に向き合う姿勢、道具を扱う⼿の動き、そして作品に命を吹き込むまなざし。
その⼀つひとつに、⻑年積み重ねてこられた技術と精神が感じられました。
⽴花さん、このたびは貴重なお話と制作⾵景を⾒せていただき、誠にありがとうございました。
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