【道刃物プレミアムインタビュー】第3弾 スペシャル対談・動物木彫三人座談会2022
- カテゴリ: プレミアムインタビュー 作品展・教室情報・作家情報
2022年夏。
木彫家・馬塲稔郎さんから、道刃物スタッフ・キカイにご一報が。
「今度ねこ彫刻のバンナイリョウジさんといぬ彫刻のヒロセジンさんがアトリエに来てくれることになって。
せっかくなんでキカイさんもご一緒にいかがですか?」
なんて楽しそうなメンバーでしょうか。断る理由がありません(笑)
そこで今回は馬塲さんのアトリエにて開かれた、木彫家お三方の座談会をレポートします!
登場人物
木彫家・馬塲稔郎さん

いぬねこ問わず架空のものまであらゆる動物の木彫作品を制作する作家さん。
道刃物がサポートする木彫教室・菩提会動物部の講師も務めて頂いております。
馬塲さんのインスタ
ねこ木彫家・バンナイリョウジさん

人気沸騰中の木彫作家さん。ねこ専門。
作品展をすれば初日に完売する勢いの、注目度の高い作家さんです。
バンナイさんのインスタ
いぬ木彫家・ヒロセジンさん

インスタでも大変人気のいぬ専門木彫家。
今年から作品展も開催を始めた、愛くるしいワンちゃんの作品を作られる作家さんです。
ヒロセさんのインスタ
木彫を始められたきっかけ
まずは馬塲さんですが、馬塲さんは元々モデラーさん(プラモデルを作る人)だったんですよね。
ただのプラモデル好きな少年ですよ(笑)
子供のころの好きなお遊びがお絵描きよりは工作だったんですよ。
立体物を作るのが好きで、そこからガンプラに移って。作るのが楽しくて。
入った大学が総合大学(明星大学)だったんですけど、ウチの学校は入ってから好きな科を選べたんです。
それで木彫と版画を選びました。版画は子供のころからずっとやってて。だから彫刻刀も慣れてたんですよ。
あそこに、ヱヴァンゲリヲンの碇シンジくんの絵ありますけど木版画なんですよ。
当時、自分が中学生の時に彫ったんですよ(笑)

馬塲少年が中学生の時に作った、シンジくん版画
で、大学では木彫をメインに、立体では表現しにくいことを版画で、と思ってたけど
実際は木彫の方にドップリハマったっていう。
毎日酔っぱらって暮らしてたんですけど(笑)
で、奥さんの職場の近所のお寺で仏像を彫っている人がいるらしいと。
でも家庭の事情とか震災とかがあって教室にもなかなか行けなくなっちゃって…
それくらいのタイミングで、鎖骨を折っちゃうケガをしてしまって。
そんなことが重なり、いろいろ深く考えちゃって…(笑)
それでなんとなくウチのネコを作ったんです。
ネコの写真なんて残ってないんですよ、昔はフィルムのカメラだったから。
今でも個展がある時は、想像してアイツを作ってます。
初めて開いたのがどっかの喫茶店でだったんですけど、見に来てくれたのが友達一人(笑)
一緒に出展してたネコ部さんが「#ネコ部」というハッシュタグを作って。
当時は木彫でネコ作ってる人あまりいなかったんで、珍しがられたというか。
それでインスタのおかげもあって見てくれる人が増えたっていう。
そういう流れでなんとなく偶然に偶然を重ねて、今に至ります(笑)
確かに子供のころはものを作るのは好きでした。プラモデルとかも。
ただガンプラの世代では全然なくて(笑)
だから、割と最近になってからなんです。
わたしは神社にある参道狛犬、あれがなんか好きであちこち見に行ってて。
で、昔子どもの粘土細工に付き合ってあげてた時に「自分狛犬好きだった、これでカッコいい狛犬作ろう」ってなったのがきっかけ。
で、そうだそのうち海洋堂から、チョコエッグシリーズ出てたでしょ。
それをきっかけに粘土で動物を作り始めたんです。でもそれもなんか途中でフェイドアウトしちゃって。
で、それからまただいぶ経って木彫に出会ったのが馬塲さんもお知り合いの、はしもとみおさん。
それを見て、「あ、こういう世界があるんだ」って。
で、これは作ってみたいなっていうんで見よう見まね。もう完全に自己流。
だから、作ってる数がお二人から比べたら圧倒的に少ない。ほんとほんの駆け出しというか…
今度これ作ってみようとか、今度こういうポーズ作ってみようとか。
そういうのがあるから、ずっとやってる。
そこからインスタとか、あとはたまにお店にちょこっと置かせてもらったり。
そこでお客さんに見てもらったりとか。
「はーこういうことか、いやーこれは参ったな」と(笑)
そこからさらにどんどんハマっていきました。
木彫作品を作る上でのこだわり
企業秘密じゃない範囲でお願いします(笑)
馬塲さんはいかがでしょうか?
そこはこだわりですね。ちゃんと立つもの。
自分はスケッチというよりかはクロッキー派で、動き重視というか。
あと「ねこだな」っていう存在感。しっぽがね、結構表情出るんです。
地面と平行な子は、何考えてるのかわからない(笑)
これはうまくいったな、っていう線が出るとすごくいいなって思います。
あれはやっぱ飼ってる人じゃないと気づけないというか…
その方が、目が合う。
特にいぬの場合って、「目」だと思ってるんですよ。ポーズっていうよりも、割と目かなって。
1㎜でも0.5㎜でも違うと表情変わっちゃうんで。そこは何度も何度も、彫る前に気を付けてます。

※キカイがバンナイさんからヒロセさんのお名前を聞き、すぐチェックしたところ
たまたまヒロセさんのネットショップでバセットハウンドの作品が売っており
即座に購入ボタンを押したのでした(笑)
で今日、初めてヒロセさんとお会いしたんですけど、なるほどな、と思いました。
ヒロセさんご自身も優しい目をしてる(笑)
わたしもプードル彫ったことあるけど…
こういうの(バセットハウンド)だとまだ、毛が流れるんだけど。
しょうがないから片っ端からいいの集めて、あとはもう雰囲気でまとめちゃう(笑)
お気に入りの彫刻刀

逆立った髪のところとか、かゆいところに刃が届いてくれる。
あと極細丸0.5。折れそうだけど、すぐ(笑)
※【彫刻刀の使い方】細い彫刻刀の注意点
https://www.youtube.com/watch?v=aD2kx3Ply98&t=22s
荒彫りから仕上げまで使えてすごく便利にしてます。

残り2割は仕上げ用の細い彫刻刀。
では、バンナイさんのお気に入りは。

目も平刀でやってます?
あと、切れないと余計不安定になるんですよね。それでケガしちゃう。
菩提会の生徒としてのバンナイさん
このブログに書いちゃっていいんですか?
「菩提会の(インスタなどの)投稿見てるとね、羨ましくてしょうがないんですよ。
あんなの、わたしも参加出来ないんですかねぇ」っていうから
「いや、あなたがなにしに来るんですか!(笑)」て言ったんです。
結構マジなトーンだったんで馬塲さんにご相談したんですよね。
小さいとね、割かしごまかしが効くんですよね。
この等身大くらいの大きさだと、細かいところもガチっと出ちゃうから。
やっぱりすごい考えるし、勉強になる。
なんでこのサイズかっていうとバンドソーで切れるサイズがこれなだけなんですけど(笑)
馬塲さんのアトリエにある工作機械を見学。
バンナイさんとヒロセさんの「うらやましぃ~!」という声が響く(笑)
木彫りの醍醐味
「潔さです」っておっしゃられてて
それはちょっとわかるなぁって思いました。
そういうのが木彫の醍醐味なのかなぁって思いましたね。
きれいになるのと同時に、「勢い」が減退してしまっているようなね…
そうじゃなくて、その手前っていうか。どこで止めるかっていうのが。
全角度から見れるんですよ!
「ここから見たらきれいだけどここから見たら四角い」じゃあダメなわけで。
イメージ通りに出来上がってきたら面白いよね。
その「線が見えている人」っていうのがうまい人なんだろうなぁ。
でもその「線を探る」っていうか、それを続けて頑張ってるとなんとなく形になってきて。
動物って一匹一匹違うから。形もね。すごいなと思ってて。
デザインラインだったりとか。構造だったりとか。
だから「あれ、この子の耳は、前作ったアレを応用して作れるな」とか。
それこそ馬塲さんのご経験の集合体というか。
それで早朝ですよね。夜じゃなくて、一回寝て、頭クリアにさせた状態の早朝。
何も音楽とかかけないで、自然の音の中で彫るのが、楽しい。醍醐味ですよね。
遅くなってくると快適になってきて。静かになってきて。わかりますよ。
でも朝方の彫刻活動、いいですね。木彫ならではの楽しさがより感じられそうです。
今後、意識してみます!
いやー今日はたくさん貴重なお話を伺えて大変充実した座談会でしたね。
木彫を楽しんでおられるみなさんの何かしらのヒントにつながると嬉しいです! ということで、本日はみなさん長い時間ありがとうございました!

最後に、木彫お三方と馬塲さんの愛犬・わびすけくんみんなでハイチーズ♪
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