山形で活動するNPO法人・被災地に届けたい「お地蔵さん」プロジェクト。
この度そのプロジェクトに、弊社は道具提供として協力させて頂きました。
舞台は福島県の楢葉町。
こちらも2011年の大震災の津波の被害に合い、地域を見守っていた地蔵堂が流されてしまいました。
しかし、お堂が立っていた土台だけは何とか残留。
そこに人々の暮らしがあったことを力強く証明していました。

2022年春、この地にかつて住んでいた方が上記事業に地蔵堂再建の相談をされたことで、今回のプロジェクトがスタート。
こちらの事業は主に石仏をお届けするのがメインでしたが、今回は木造のお地蔵さんを納めたいというご要望があり
山形で活動される「東北古典彫刻修復研究所」に依頼要請。
そこで必要な刃物のご提供を、以前から交流のあった弊社に相談された、という流れになります。

お地蔵さんは上記研究所の仏師さんと、かつてこの土地の住人だったみなさんを「楢葉仏師」として共同作業にて制作。
元の世帯数と同じ19体のお地蔵さんが作られました。

弊社の鑿を使って木を彫る姿は実に生き生きとし、東古研の仏師の渡邉さんはそれを見て
「このプロジェクトは大丈夫、必ず成功する」と確信されたそうです。

そして迎えた2022年9月11日。
新造された地蔵堂にて落慶式と開眼供養法要が開かれ、弊社もその式典に参加して参りました。
直前に、楢葉仏師最後の一仕事、白毫を眉間に収めて完成です。


式典では出来立てのお地蔵さんを楢葉仏師さんたちが丁寧にお堂にお納めし、
その後お坊さんによる開眼供養法要が執り行われました。



このお地蔵さんたちがこれから長きに渡り、この地区を見守っていくことになります。
このような貴重な事業に参加させて頂いたのは刃物屋冥利に尽きます。
また、この度の式典で直接楢葉のみなさんにお顔を合わせることが出来てよかったです。
この度はプロジェクトの成功、誠におめでとうございました。

ニュースにもなりました。こちらからご覧ください　→　「久しぶりだね」地域の記憶繋ぐ地蔵堂を再建